中村天風(なかむらてんぷう)は学歴や資格がある訳ではない。
人生の所々で得た知識や経験を元に、最終的にヨガ哲学から会得した悟りこそが真理であるとし、それを世に広めた方である。
天風師匠は1968年に亡くなられているが、こうして本書が現在でも発売されている点からも、意義ある内容であることがわかるだろう。
大谷翔平もメジャー渡米前にこの本を読んだということであるが、大谷の言葉に「辛くても頑張りたい何かがあるなら、幸せじゃないかな」とあるのは、まさに天風師の教えそのものである。
彼の人格や行いが優れているのは、僅かながらも中村天風の影響があるかも知れない。
本書は表紙と内容からしてかなりいかがわしいが、読了した今、大谷のような“超人の心境”が少しわかった気がする。